2008年02月14日

 内枠はタケミカヅチ、ニシノシュテルン、マイネルスターリーが多少スタートでたたらを踏む。
サダムイダテンもスタートは甘い方。
スマートファルコンは出負けは大きくなかったが最初から出脚争いは諦めていて全く付いて行かずすぐに最後方へ。
13番枠から外、ノットアローン・レオマイスター・サブジェクト・ホッカイカンティの4頭がスタート安目。
上手くゲートを出たのはストーミーペガサスとマイネルプレーザ・ショウナンアルバだったが
中から押して仕掛けた初ブリンカーのショウナンアクロスと
これまた押して併走するイイデケンシンが先手争いをしばらく競るような格好。

 その2頭ともがやや引っ掛かる形で2角を通過、内側のショウナンアクロスが主導権を取った。
続いてイイデケンシン、すぐ側にマイネルプレーザ。
その後ろ内側にストーミーペガサス、外側は引っ掛かっているショウナンアルバ。
その次は2角で隊列の隙に上手く入り込んだレオマイスターがラチ沿いを追走、右後方外にホッカイカンティ、中サブジェクトと続く。
続いて内からタケミカヅチ、中シングンリターンズ、サトノハピネスが併走、その外ノットアローン。
一列の後ろにマイネルスターリーが追走。
少し離れてサブジェクトがいて、すぐ側にニシノシュテルンがピッタリマーク。
最後方にスマートファルコン。
向こう正面の辺りでショウナンアクロスは10馬身以上他馬を大きく引き離す大逃げ。
離れた2番手筆頭はイイデケンシン、後方は縦長にバラけたりせずやや凝縮気味の追走。
集団一団からサダムイダテン・ニシノシュテルン・最後方スマートファルコン3頭は展開を傍観しやや離れた位置。

 最初の3Fを12.5−10.6−10.8の短距離並みのペースでぶっ飛ばしたショウナンアクロスが脚色を大幅に緩め、
3角過ぎから12.7−13.0と途中ほぼ歩いたかと言うぐらいに勢いがしぼんだ所を後続集団全体が一気に差を詰め、4角では馬場の良い外側へ馬群全体がバラけ気味に張り出していく。
最後方近辺から追い上げる3頭はそのさらに大外:ラチから8頭分ほど辺りから差そうという構えでぶん回す。
直線に入った時点で馬群は横に大きく広がり、どの馬も叩き出しに入っている。

 4角辺りではまだ最後の二の脚を使っていたショウナンアクロスが残り400m標識過ぎで横の馬に並ばれる。
直線の半ばでショウナンアルバが余力十分に先頭に出る。
内に潜っていたレオマイスターは一瞬伸びかかって勢いがしぼみ、その真後ろにいたタケミカヅチとマイネルスターリーがジワジワ伸びてくる。
イイデケンシン、マイネルプレーザは坂上で脚色見劣ってきた。
ショウナンアルバに坂下で並びかけたホッカイカンティは坂上まで追い上げる脚が足りない様子。
道中直線と終始進路を閉められていたサブジェクトは前を交わして外に出ようにも余力が足りず。
その外からサダムイダテンがいかにも勢いに乗ってくる格好。
サダムイダテンをマークして大外に行ったニシノシュテルンはそれに全く追いつけておらず、さらにその後ろから行ってたスマートファルコンはもっと大外に回って完全に流れに乗り遅れ。

 ショウナンアルバが坂上で先頭に立って内側からタケミカヅチ、それを追うようにマイネルスターリー。
大外から伸びかかったサダムイダテンは坂上の残り100mで脚が回らなくなる。
先頭のショウナンアルバは最後にタケミカヅチとやや馬体を併せてソラを使いそうになる格好はしていたが、最後まで勢いを持たせて押し切った。
サダムイダテンは内側の3頭には馬体を併せきれず勢いが止まった。
ゴール前でシングンリターンズにも交わされての5着。
ホッカイカンティは馬群に飲み込まれそうな格好はしていたが、他の後続の方がさらにバテた分の6着。
スマートファルコンは結局最後まで案外な勢いのままの7着。
その他の後続は全馬脚が止まっていて、全体にバラバラとした入線。



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1)
 当日は代替開催の月曜日。
先週の代替開催も関西馬の成績は【 1, 1, 2, 19】とかなり酷かったが、今週も24頭出走した関西馬の成績は【 0, 0, 2, 22】と相当落ち込んだ。
週中も天気が酷く、満足できる直前追いができなかったそうだし、本来の馬の形が変わるほどの影響があったとなれば、全滅も致し方ないだろう。

 2日目7R、3歳500万条件のイイデシンゲンの歩様がガタガタだったのと9R箱根特別のウィドーハンターがまるっきりパドックで存在感がなかった辺りから結構意識はしていたので、パドックでの印には早くから反映できた。
ちなみに2日目に武豊が絶不調だったのは乗り方とかではなくほぼ関西馬ばかりだったラインナップのせい。

 先週今週の月曜順延開催の関西馬はパドックでの形が本来のデキではなかったと思うので、反動を克服して立て直せるローテーションであれば全て見直しすべき。
また、同様に競馬の中身を見ても展開のキーになる有力関西馬が全く仕事をせず、展開の要所要所で全て関東馬有利に働いた部分が大きい。当日の好走は全て眉唾物。
また、2日目に出走して激走した馬の多数が次走のパドックで出来落ちしていて、明らかに悪い影響があったのは間違いなさそう。
一見パドックで「これは影響なさそうかも」と印を振ってみた馬も全く動いてくれてない。
新馬・未勝利・500万条件に出走した馬は現時点で全滅といえるレベル。
1回東京2日・4日に出走した馬全ての次走に注意を払いたい。

 今回の共同通信杯はラップの内容としては結構評価できる部分も多いのだが、背景としてイレギュラーな要素が盛り込まれ、次走への時限爆弾として点火してる状態。
将来性を見るためのポテンシャルの評価は素直に受け取り、今回の好内容に脊髄反射で飛びついて次走の前予想で用いるのは避けたい。

 ただでさえこんな高レベルでダメージの残りそうな競馬をイレギュラーな変則開催でやってしまったがために、なおさら次走をどう考えればいいのかがかなり難しい。


2)
 今回の展開はショウナンアクロスだけが1000mの競馬をやって勝手にバテたというラップだが、

■2008年共同通信杯 勝ち馬:ショウナンアルバ/56kg
12.5 - 10.6 - 10.8 - 11.9 - 12.7 - 13.0 - 12.2 - 11.5 - 12.4 (1.47.6)
12.5 - 23.1 - 33.9 - 45.8 - 58.5 - 71.5 - 83.7 - 95.2 - 107.6 (33.9-36.1)
※月曜順延開催

この途中の4角手前の-13.0-の部分で1200mの通過が71.5、まだ後続集団が追いついてない。
しかもショウナンアルバは直線入り口を過ぎて残り400m地点までは先頭で残っている。
5〜6頭ほどの集団で2F目に-10.6-を刻んだ影響は明らかに大きかったし
落ち着いた展開からの瞬発力特化勝負にしたい思惑を最初から大きく揺さぶったのは間違いない。

例年の共同通信杯の1200m通過は72.5以上〜遅ければ73秒後半もあるぐらいで、
そこから上がり3F34秒そこそこの直線勝負になるのが通常。

■2001年共同通信杯 勝ち馬:ジャングルポケット/56kg
12.8 - 10.9 - 11.6 - 12.5 - 12.5 - 12.5 - 12.2 - 11.2 - 11.7 (1.47.9)
12.8 - 23.7 - 35.3 - 47.8 - 60.3 - 72.8 - 85.0 - 96.2 - 107.9 (35.3-35.1)
※府中改装前
※当時の56kgは他馬より1kg重たい

■2005年共同通信杯 勝ち馬:ストーミーカフェ/58kg逃げ切り
12.9 - 11.4 - 11.4 - 12.0 - 12.3 - 12.4 - 11.9 - 11.3 - 12.2 (1.47.8)
12.9 - 24.3 - 35.7 - 47.7 - 60.0 - 72.4 - 84.3 - 95.6 - 107.8 (35.7-35.4)

■2006年共同通信杯 勝ち馬:アドマイヤムーン/57kg
13.0 - 11.5 - 11.5 - 12.2 - 12.8 - 12.6 - 11.7 - 11.4 - 11.7 (1.48.4)
13.0 - 24.5 - 36.0 - 48.2 - 61.0 - 73.6 - 85.3 - 96.7 - 108.4 (36.0-34.8)

■2007年共同通信杯 勝ち馬:フサイチホウオー/57kg
13.1 - 11.4 - 11.4 - 11.7 - 12.5 - 12.9 - 11.7 - 11.2 - 11.8 (1.47.7)
13.1 - 24.5 - 35.9 - 47.6 - 60.1 - 73.0 - 84.7 - 95.9 - 107.7 (35.9-34.7)

 ショウナンアクロスだけを放置して、他の15頭は例年通り末脚勝負の展開になった…と見るのはラップからしても間違い。
最初の速いラップの部分でかなり脚を使わされた影響も相当大きかったろうし、
最後2Fで11.5→12.4と大きくスピードが落っこちた部分が例年のラップに比べてかなり異質。
しかもショウナンアクロスに後続がやっと追いついた直線入り口〜残り2F標識部分でも1400m通過83.7なら、例年の同レースや他の重賞に比べても異常にペースが速い。

 サダムイダテンとスマートファルコンの鞍上の位置取りは明らかに正しい。
それだけにこの展開で内を回った馬とほとんど脚色が一緒だったのは、馬の力が大してズバ抜けてないという証拠かもしれないし、実際はあの位置取りでもかなりスピードが出すぎていて大外を回ると脚を全然タメられず露骨な距離ロスになる展開だったということだろう。

 スケールと体力満々で坂上になっても余力が余っているという競馬になるのが例年の共同通信杯だが、
今年はほとんどの馬が厳しい競馬に参加し、最後には余力を出し切った展開
だと解釈できる。
先行馬には相当苦しい展開であったのは間違いないし、追い込み馬にとってもかなり馬場が荒れた割に標準以上の総合スピードを求められて苦しくなった。
「瞬発力適性」や「展開有利」などの偏りではなく、正攻法の強さや競馬上手っぷりが結果に繋がったというのが今年の内容だろう。

 当日の芝レースの結果からはかなり外伸び馬場の傾向が見て取れたが、そうなりそうな状況を突飛な策で強引に捻じ曲げて、スピード馬有利&ロスなしの立ち回りができる馬有利の消耗戦展開に一変させたショウナンアクロスの仕事は大きい。
逆に言えば、馬の実力に世間で実感してるほどの上下差がないので、世間が規定したい思惑など騎手の工夫一つで簡単に裏切れるぐらい、「馬の強さや能力」をアテにできない
上手く行った方が勝つ競馬が今後も続くのであれば、変に人気して期待を背負ったり展開の的にされるより、
能力がありながらも軽視されている馬が上手く行くことを祈って「期待値」で買った方がよっぽど面白そうだ。


ちなみに、特殊な馬場偏差や妙な特殊適性ではなく、スピードの総合力が結果に直結する競馬になれば、このレースもIDM○→注の指数上位で決着している
中山の京成杯の回顧の通り、大幅な指数上積みがあまり見られないメンツであれば引き続き指数の有効性は高い。


3)
 サンデーの繁栄のために良かれと思って改築した(邪推)府中競馬場だが、そのサンデー産駒がいなくなってからは
「瞬発力を生む要素はこういう部分」
「瞬発力を鍛えるのはこういうやり方」
といったロジックやデータが十分なほど財産として残り、その瞬発力を受け継ぐサンデー系列の子孫が数多く残ったはずも、結局のところ、そのサンデーらしさや瞬発力の機能はサンデー全盛期よりも著しくスケールダウンしてる上に、
「府中向きの切れ味がある」と見込んで送り出す
数多くの有力馬のその誰しもが、全く府中競馬場を攻略できていない

 具体的にいえば、
サダムイダテンやスマートファルコン程度の加速力では
府中競馬場の器が大きすぎて
強引な末脚比べをしようとしても実際に全然間に合ってない。
確かに瞬発力を大いに発揮しそうな馬体の形をしてるし、抜群の良さを感じる部分が多々あったとしても、いざ競馬をさせてみると、ショウナンアルバの総合スピード持続力、タケミカヅチの最内枠を逆手に取った上手い立ち回りには及ばないということ。
しかもレースで上位に入線した馬ですらも、府中適性・瞬発力性能という面では特別威張れる競馬振りではない
サンデーをお手本に得た英知も、次の世代の馬に預けきれないジレンマに陥っていて、しかも馬体の評価や世間の中で先行する評判も、競馬の中で起こる多少の不利を覆せるレベルの実力に満たないという現状。

 2007年度のG3以上のレースの勝ち馬を見直せば、不良馬場で著しい馬場偏差があった時や、世代限定戦の断然1番人気を除けば、オークス勝ち馬ローブデコルテ、ダービー勝ち馬ウオッカ、天皇賞秋勝ち馬メイショウサムソン、ジャパンカップ勝ち馬アドマイヤムーンなどを筆頭に、
ほとんど全てが
「絶好の内枠をたまたま引けた馬」
「道中は馬群の内側で上手く立ち回れた馬」

が勝っている。
正直な所、パドックで抜群の状態を見せていても、立ち回りのアヤ一つで簡単に負けてしまうような、パドックを評価する立場からするとげんなりしてしまうような事象は、中山よりも府中の方が多くなった。

 サンデー亡き後、「府中だからこそ信用できる」という馬が明らかに減ったのはまず間違いない。
府中で強い馬に乗って自信満々の騎乗をすると間違いなく罰が当たるというのが今の競馬シーン。
だからこそ逆に、基礎性能以外の評価が大きなポイントになった時代だと言える。
タケミカヅチのように、馬込みを全く捌けなかった馬が(何らかの要因で)遥かに立ち回りが効くようになったり、
イマイチ君だった馬が差し迫った状況を受けて別の競馬をせざるを得ない立場に追いやられた時に生まれる上積みなど、
紛れの後先を分ける要素にどれだけ敏感に反応できるかが、「大混戦時代の競馬」の解釈なのでは。

このまま目立った有力馬が出ないままダービーを迎えれば、ダービーは一番強い馬というより内枠の馬が勝つだろう。
それは皐月賞上位馬がそれなりの内容の競馬だったとしても、そうなるかも知れない。


−−−−−−

(各馬総評)

1.タケミカヅチ
 骨太体型かつ筋肉質でトモ幅確り。馬体の形は新馬当初からずっと良く見せている。
 ただ今日は夏場に柔らかかった筋肉がカッチリ緊縮してしまってるような印象があり、
 形がここで決まってしまったのでキッチリ仕上がった反面ここで成長が止まった印象。
 当日は「前走から伸びしろがないのなら…」と思い、イマイチ評価を上げづらかった。

 結局の所、以前の「大外ぶん回し」ばかりの大味だった競馬を「ラチ沿いピッタリ」で上手く乗れるようなら、
 実力的に十分連対圏に届いても良い馬だったということ。
 この馬もIDMでは「注」評価。
 馬体面ではこれ以上伸びて来れそうな印象がなくなったので、さらに強敵が集まるとどうかと思うが、
 逆に馬込みや荒れた芝にも怯まず上手い競馬ができるようなら、今後もヒモ穴ぐらいでは注意を払いたい。
 ただ、腰がイマイチ甘いまま体は硬くなりつつあるので、スタートダッシュでの弱みは今後も直りそうにない。

3.シングンリターンズ
 小柄で仕上がり早。腰やトモの形はキチッと決まっていて、手先がシャープで歩様が硬い馬。
 馬体が落ちてきている様子はなく、ずっと好調をキープしている。
 逆に言えば体に応えるほどのしんどい競馬を今までやってない。

 力足りずながらも毎回自分の競馬は出来ていて、今回は距離損しなかった分での掲示板入着。
 実際には上位に脚色で及ぶ場面はほとんどなく、実力的に見劣る。
 現時点で上積みも望みづらい馬体で性能面でも限界が見えているし、現実的に人気通りの評価で妥当だが、
 機動力不足を補えてチョイ脚が効く府中だともう一度ぐらい見直していいかもしれないタイプ。

4.ニシノシュテルン
 小柄で薄身、馬体はスッキリ見せトモの張りも良く柔軟な馬体。ただトモが大きく流れ腰もかなり甘い。
 多少なりともスピードを感じさせる動きはできるが、まだパンとしてない状態で脚力不十分といった所だろう。
 スタートダッシュも弱いし現時点では加速力にも限界がある。

 この馬の実力を考えるとかなりムチャな人気馬マークだったし大外まで付いて行った内容にもロスが多い。
 それでも少しながらでもサダムイダテンの実力を削る仕事は成していたし、鞍上の方を評価したい。

5.マイネルスターリー
 連闘で遠征してきて重賞に格上挑戦。
 骨太薄身で腰の位置が高い。冬毛がかなり目立つがトモの張りはまずまず良かった。
 前の出がかなり緩いのと対照的に後肢は結構決まっていて、腰の動きが速い。膝も良く上がる。
 連闘かつ遠征で順延、前走が仕上がってたとのことなので少なからず体調には影響があっただろうし、
 前脚のソエか何かを気にしたのか、前脚にキチンと加重を乗せられず結構痛そうな歩様をする。
 ちなみに札幌デビュー馬で、馬体の完成度もそこそこ高い。

 レース内容もジックリ壁の後ろで構えてずっと付いて回り、
 直線内側から風除けにしてた馬をロスなく捌いてタケミカヅチにジリジリ寄ってきた格好での3着。
 実際に上がり1位だが、末脚が抜群だったと言う内容ではなく、
 大外を回った馬が全馬垂れた展開に助かった分は大きい。
 ただ府中で我慢強さを生かす競馬でアドバンテージがあったのは事実。母父サンデーで内枠。

8.イイデケンシン
 腹ボテ体型で脚長。馬体の張りも良いし柔軟でバランスも良く、現在の充実ぶり著しい。
 ゴツゴツしてた3走前の府中のパドックとは全然違う印象。単純な馬体評価でも結構上の方。
 多少煩い仕草を見せてたし、実際の所幅の厚いダート馬かもしれないが、当日評価は入れた。

 一本調子に走って強いタイプに今日の展開は苦しすぎる。
 2角入る前にすぐ諦めたにせよ、最初はショウナンアクロスと出脚争いを競っていた。
 もう一度だけでも芝をやり直してもらいたい気持ちはあるが、
 斤量を背負う立場だし重賞クラスの芝馬相手ではキツイか。

10.サダムイダテン
 線の細い形で手先がシャープ。馬体のメリハリがイマイチで腰も随分ブレる。多少冬毛も。
 寸も詰まっているし首差しが短い・細い。当日パドックは全く評価を入れなかった。
 府中向きの軽さはあるかも知れないが、馬体の迫力や肉付き云々を語る前に線が決まってないし筋肉も弛み気味。
 さすがに本来はここまで酷い馬ではないだろう。輸送や順延の影響が大きくて別馬に変わったか。
 今回の競馬で今後の成長を削ぐほどの反動が出なければいいが…。

 4角大外から動いた時も特に鞍上は追ってはおらず、しかも直線坂を駆け上がって最後も伸びそうな体勢までは行った。
 ただ、細身の強みによる瞬発力だけに、坂上から体力が続かず明らかにフットワークの勢いが落ちる。
 荒れた芝そのものも脚力負けしそうな印象があった。
 2000mどころか1800mでも短いという世間の判断は概ね当たっていると感じる。
 個人的には持たせようと思えば持つが、かなり狭い条件に嵌らないと2000mは持たないといった印象。
 とりあえず次走、まともに点数を打てる別馬のサダムイダテンを見てみたい。

11.ショウナンアルバ
 脚長でしなやか、バランスは良い馬体。四肢の運びは滑らか。四肢の繋も比較的長め。
 印象としては前回の方が良かったし、前回感じなかった腰の緩みもあったし依然ジョイントがまだ緩く成長途上。
 その状態でも背丈があるし、懐の深い動きができる部分は評価できた。
 全身のユルさが持ち味、という面もあるだけに瞬発力というよりは総合スピードや体力で勝負するタイプ。
 シャドーロールは前走から。

 ラビットを先に行かせて掛かる馬を何とか上手く折り合わせ、最後まで持続力を持たせた格好ではあるが、
 直線の半ばで11.5のラップを弾き出したのはこの馬。
 最初2〜3F目の-10.6-10.8-になった部分で多少なりとも先行争いに参加した先行馬が
 全滅している中での先行押し切り
はかなり価値が高い。
 ここ2戦危惧している折り合い難が完全に解決すれば、
 速いペースで凌いで残せる強力な先行馬としてクラシック戦線を引っ張って行けそう。
 もっと形が整う余地も十分ある状態で今回まずまずの数字を出したし、今の所前途は明るい。
 とにかく今回のレースの反動が出ないことを祈りたい。
 骨格が整わないまま筋繊維の性能が良すぎてスピード過剰と言う馬なので、
 馬体の充実が霞んでくると、気性難が悪化して自滅していくタイプだろう。
 今回のショウナンアクロスのようなペースで引っ張ってくれるラビットなどそうそう用意してもらえないだけに、
 今後は馬の出来を維持できるかどうかがキーポイントだと見る。

12.スマートファルコン
 背中強く足腰確り。前走の好状態を(見た目は)維持し、弾力の強い馬体。腰も決まっている。
 馬体のメリハリも良かったし、手先の力も落ちたようには感じられなかった。ただ多少背は低く見せたか…。
 ダートで瞬発力を使える馬だけに、四肢の繋が他の馬に比べると短いというのはある。

 最初から展開に乗らず、ほぼ最後方追走して4角で大外に振るのではなく直線でジワジワと大外まで持ち出す騎乗。
 断然1番人気のサダムイダテンが4角で動いた時にそれを追いかけもしなかった。
 鞍上が10Rで成功してた乗り方だったので、それをなぞると今度はまるで流れが不向きという結果。
 正直文句の一つも言いたい所だが、結果的に正味6分ぐらいの力発揮で馬に全然無理をさせてない騎乗だし、
 ここで頑張るとダメージが大きく残りそうなシチュエーションでほぼトップスピードに乗らず回ってきただけ

 の競馬になったのは余力が余ってる分次走で大いに有利に働きそう。

 ただ手先のしなりが他の馬よりも働かないし、どうやっても前で頑張るような気配も見られない。
 他の瞬発力型に比べて、府中でのアドバンテージは思ったよりも足りないのかも知れない。

15.サブジェクト
 箱型で背が低い。手先シャープ。体つきはしなやかで腰の形も決まる。
 デキとしてはサダムイダテンよりまだまともに見えたので評価はしたが、
 これも徐々に形が窮屈になってきた嫌いがあり、実際朝日杯の抜群の状態よりは劣る。
 やや成長力が落ちてきたか、あるいはこれも順延の影響があったか。

 道中は前の進路をショウナンアルバ、外側をホッカイカンティにガッチリマークされており、
 それが直線まで全く開かず、しかも直線向いてもしばらくはほぼ壁。
 ただ、それでも直線バラけてから伸びそうな格好をすれば別だが、
 前のショウナンアルバ&ホッカイカンティに遅れて立て直してからも大して脚が回ってない。
 体型からも本来は追い込みに近い脚質のはずだが、朝日杯の教訓から積極策に転じている。
 今回は最初の2コーナーで多少外に振られる隊列差もあり、
 脚をタメられず・かといって道中前を追っかける流れに乗ってしまって全く捌けず。
 今回は度外視要素が多い。

16.ホッカイカンティ
 骨太で幅がある馬体。全体のメリハリ充実しバランスが良く、以前はトモがズルズルに流れていた姿勢も随分整った。
 重心が腹目の真ん中に来てて前後に揺れず姿勢がドッシリしてるし、かなり状態も気配も良い。
 これで走らないようなら血統の限界だろう。

 本来は差して味のある馬ではないが、スタートで安目を打った上に
 近い枠の馬が同体勢で2角に雪崩れ込み、そこで1番大外にいた隊列不利。
 しかもブッ千切って逃げる馬と掛かりそうな気配の馬が目の前にいて、
 さすがにいくら前に行きたくても硬直せざるを得ない展開だったのは仕方がない。
 本質的に瞬発力で見劣る同馬で、道中サブジェクトを完璧に閉じ込める仕事をして、
 さらにショウナンアルバに坂上まで並んでいたのだから、
 不本意な競馬になりながらもそれなりに中身の濃い内容。
 そうそう反動の出そうな半端なデキではなかったと思うので、次走すぐに見直したい。特に内枠を引けば。



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