2008年02月21日

【京介のレース回顧】 2/17ダイヤモンドS

<レース展開>
 スタートは全馬ゆったりした行き脚。特に出負けしたりたたらを踏む馬はおらず、しばらくは横一線。
外から数えてレーザーズエッジ、エーシンダードマン、チェストウイング、コンラッドは後方に控える様子。
マンハッタンスカイが徐々にハナを切る構え。
それに内からトウカイワイルドが2番手で付いていく。続いてミストラルクルーズ、エフティイカロス。
行きっぷり悪く鞍上の手が動くが、それに続いて内からゴーウィズウィンド。
続いてブラックアルタイル、1馬身後にテイエムプリキュア。その後ろに控えたアドマイヤモナーク。
その後ろにエイシンダードマン、ブリットレーンが続き、また離れてラムタラプリンス、レーザーズエッジが併走。
最後方はコンラッドとチェストウイングが並んでいる。
全体にバラバラとした隊列で、前の2頭マンハッタンスカイとトウカイワイルドが引っ張って隊列を縦に伸ばす格好。

⇒1周目スタンド前では、
その前2頭にミストラルクルーズが少し絡んで揺さぶりにいくが、
マンハッタンスカイがすぐに先頭を主張しなおし、特に後続のペースも上がらない。
一度ペースが上がった時に縦横に全馬バラバラとした追走になるが、
1角にたどり着く頃にはペースが一気に落ちて十分に息が入る13.0-14.0-13.3。
先団が一度詰まって隊列が整い、馬順の前後も一団にまとまる。

⇒向こう正面では、
マンハッタンスカイが単騎筆頭、
その後にトウカイワイルドとミストラルクルーズが併走、
続いて外テイエムプリキュア・内ゴーウィズウィンド。
その後に外エフティイカロス・内アドマイヤモナーク。
その後も外ブラックアルタイル・内ブリットレーン…と
1頭−2頭−2頭−2頭−…の整理された縦2列隊列のままスロー。
向こう正面で仕掛けて動く馬は皆無のまま、2周目3角へ。

⇒3角近辺から
余力十分のマンハッタンスカイが
12.8 - 12.4 - 12.0 - 11.6 … と下り坂からスパートを開始。
しかし後続の集団もそれに遅れることなく接近していく。
4角手前では馬群が一度凝縮するような格好にもなった。
直線に向いた瞬間には最後方の馬も逃げ馬を十分に射程圏内に捉える位置。

⇒直線に入ると、
マンハッタンスカイが一度先頭で飛び出す。
最内ピッタリを全くロスなく回ってきたコンラッドが徐々に近づく格好。
2番手から接近したトウカイワイルドは追い出してもフワフワ。内側のミストラルクルーズも手応えが甘い。
その横に突っ込んで接近しかけるラムタラプリンス。
外のエフティイカロスが坂の半ばで脚色を失う。テイエムプリキュアも一瞬は反応したが脚が続かない。
その外から余力十分の状態で上がってくるアドマイヤモナーク。
その真後ろから追い縋ってくるレーザーズエッジとブラックアルタイル、大外エイシンダードマン。
チェストウイングはさらに大外でややモタレ気味。

⇒坂を上がって
マンハッタンスカイの勢いがしぼみ、その真横をコンラッドが駆け抜ける格好。
直線の外をアドマイヤモナーク1頭だけがもうブッ千切る伸び脚になっている。
エイシンダードマンとレーザーズエッジが併せ馬の格好でジリジリ伸びてきて、
内のコンラッドと3頭の上げ下げの2着争い。
アドマイヤモナークが3馬身リードでキッチリ振り切った。
2着争いをハナ差で争った3頭は全て後方からレースを進めた馬。
全体の時計も例年より2〜3秒ほど遅い決着になったスローの展開、
しかも比較的後半勝負のペースになった割りに、先行馬は総崩れしている。





 今週は順延もなくまともな日程で開催が行われて、当日も特に異常な状況などはなかったが、
さすがに2週続いた降雪&雪かきで馬場が荒れに荒れて、とにかく見た目に酷い。
パトロールフィルムにて上からの画面を見るとラチの内も外も全面的に荒れている状況。
その上に、57.5kg(トップハンデ)を背負う馬が1頭と、2番目が55kgの3頭、そして、その他軽ハンデの条件馬。
というような、有力先行馬不在かつ、まともなOP馬少数というメンツで行われた。

馬場に足を取られないか慎重な追走・早目の勝負に出られない酷い馬場
 ↓
全馬が膠着したスローペース、平凡な上がり性能だけの勝負
と、今年はかなり平凡な内容。

■2008年ダイヤモンドステークス 勝ち馬:アドマイヤモナーク
12.9 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 11.8 - 12.4 - 13.0 - 14.0 - 13.3 - 12.5 - 12.6 - 12.8 - 12.4 - 12.0 - 11.6 - 11.5 - 12.8
12.9 - 25.6 - 38.1 - 50.9 - 62.7 - 75.1 - 88.1 - 102.1 - 115.4 - 127.9 - 140.5 - 153.3 - 165.7 - 177.7 - 189.3 - 200.8 - 213.6

今年は
・スタート直後の先行争いが全く行われていない
・途中のペースアップも中途半端でしかも一度限り
・中盤に一度ハロン14.0、その後も隊列の動きがナシ
・上がり勝負になった割にラストハロンが12.8と平凡


など、そこかしこにレベルの低さが垣間見える。

比較として、3分30秒台決着となった昨年・一昨年のラップが以下。

■2007年ダイヤモンドステークス 勝ち馬:トウカイトリック
12.9 - 11.6 - 12.0 - 12.2 - 12.6 - 12.4 - 12.6 - 13.4 - 13.0 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.9 - 12.0 - 11.1 - 11.7 - 12.3
12.9 - 24.5 - 36.5 - 48.7 - 61.3 - 73.7 - 86.3 - 99.7 - 112.7 - 125.4 - 138.1 - 150.6 - 163.5 - 175.5 - 186.6 - 198.3 - 210.6
※勝ち馬トウカイトリックは直後の阪神大賞典3着+本番の天皇賞春3着
 2着馬エリモエクスパイアは本番の天皇賞春2着

■2006年ダイヤモンドステークス 勝ち馬:マッキーマックス
12.8 - 11.7 - 12.4 - 12.5 - 12.2 - 12.6 - 12.0 - 12.7 - 12.7 - 12.1 - 12.5 - 12.7 - 12.4 - 12.4 - 11.7 - 12.3 - 12.6
12.8 - 24.5 - 36.9 - 49.4 - 61.6 - 74.2 - 86.2 - 98.9 - 111.6 - 123.7 - 136.2 - 148.9 - 161.3 - 173.7 - 185.4 - 197.7 - 210.3
13.0以上にハロンタイムが落ちた箇所なし
※勝ち馬マッキーマックスは直後の大阪杯2着
 3着馬トウカイトリックは直後の阪神大賞典2着

同じく3分33秒台決着になった3年前のラップは

■2005年ダイヤモンドステークス 勝ち馬:ウイングランツ51kg
13.4 - 12.8 - 13.1 - 13.1 - 13.2 - 12.3 - 11.5 - 12.3 - 12.4 - 13.3 - 11.9 - 12.6 - 12.7 - 13.1 - 11.7 - 11.6 - 12.5
13.4 - 26.2 - 39.3 - 52.4 - 65.6 - 77.9 - 89.4 - 101.7 - 114.1 - 127.4 - 139.3 - 151.9 - 164.6 - 177.7 - 189.4 - 201.0 - 213.5
※テンは遅いペースだったが、途中で11秒台のラップが4度出現
※ペースが落ちるたびに2度3度と捲りが入って展開が覆った厳しいペース
※勝ち馬ウイングランツは2走後の目黒記念で2着

と、時計が遅くとも道中に揺さぶりが入るペースになっている。

今年のダイヤモンドSは、消耗を促す部分がないままに、
実力上位の馬にどうぞ勝ってくださいというペースになってしまった。
今回はアドマイヤモナークのボーナスステージ。
また、長距離スタミナ適性を見せたのは上がり35秒台を出した4頭のみ。
すべて次に繋がる内容とも言いづらく、それら上位好走馬の次走は疑問視。



 例年差し馬が有利なダイヤモンドSだが、
今年も例年に比べてかなり楽なペースだった割に先行馬が自滅し、追い込み馬が上位を独占。
特に軸になるステイヤーも出てきておらず、ハンデ込みの実力・適性的にも全馬が僅差、
OPを勝てるスピードがある先行馬もいないとなれば、
最初から折り合い面で問題がなくタメる競馬ができる
スピードのない差し・追い込み馬に流れが向くのが長距離レースの一つの側面とも言える。

その上で今年は、前走勝って駒を進めてきた馬がワンツーしたという結果。
目立った凡走をした馬が適条件を得て大幅に巻き返したシーンはここ最近少ない。
本当のステイヤーだけが生き残れる厳しすぎる展開にまで、なかなか落っこちてきてないためだろう。
中距離の結果から参照した指数でも、これがそのまま通用したように(IDM○→注決着)、
ステイヤー要素があまり必要とも思えなさそうなシーンになるのであれば、
無理してステイヤーとしての素養の高さを問わなくても良い場合もあるので
前走中距離の結果から参考にした着順・調子の良さや指数の内容をそのまま用いても問題ない場合が多い。

特に今年は、ステイヤーとしての素質を差し計れる展開でもなかっただけに、
なおさら世間の一般的な指標で測れる「地力の高さ」が結果に繋がった。
(1番人気&2番人気での決着。)


−−−−−−
<各馬総評>

1.コンラッド
 父ダンスインザダーク。
 前の出が元からかなり硬い馬の上に、今日はトモの動きも窮屈でぎこちない。
 馬体の張り艶は良く腰もまともで調子が悪いわけではないが、全体としては褒められる動きでもない。
 こういったぎこちなさはこの条件ではないだろうと思ったので無印。トモのタメの動きがないだけに…。
 出来はここ数年特に変わらず、伸びやかな動きが出来てる場面も見たことがないので、
 このぎこちない歩様と今後どう付き合っていくか…がテーマだろう。
 「スピードを優先的に出すべき」条件を避け、スタミナ重視の条件を選んで使えばという所。

 手先がやや太く、四肢の繋もキッチリ立っている馬でバネがない馬だけに、
 こういった荒れ馬場で時計もかなり掛かる展開になり、頑丈さが頼りになる条件は助かった。
 鞍上も長距離競走部門で腹を括った騎乗をし久々に上手く乗った。このハナ差は大きい。
 鈍い馬で鈍い競馬に徹底させて乗ったことで、状況を好転させた。

4.トウカイワイルド
 四肢の捌きが崩れてトモも後ろより外に流れるような動き。
 手先に力が入らずシャキッとしない姿勢で、トモの動きもゴツゴツしすぎ。
 痛みがあって気にしてるわけでもなさそうなのに常にパドックで煩い。
 今日は長距離適性がどうというより、不調が続くままの状態だったと考える。
 その上に道中のスローでなだめられず掛かってしまう気性とあっては…。

6.ミストラルクルーズ
 このパドックに入れて比較すると筋肉量がある方で腰も強い。
 ただ四肢の捌きが思った以上に硬く、踏込みも浅く全体に窮屈。
 パワーを小出しに使う走りをするので、この条件は合わなかったという見立てが正しそう。
 馬がまだ若く筋肉が柔らかすぎる面もあり、まだ完成途上。

7.ラムタラプリンス
 比較せずとも434kgという数字並に小柄で細身の体型。
 腰は甘いが手先が良く伸び、逆の意味で柔らかいタイプ。トモも多少踏ん張りの甘さがある。
 張り艶も良く全体に無駄のない仕上げが出来ていた。デキは良かった。
 道中ずっと馬場の悪い内に入れてたのはあったにせよ、同じような位置から伸びた2着馬もいたし、
 小柄で非力な弱点がモロに出てしまったと考える。
 途中で捲って動く様子もなく、地力上位馬と同じ仕掛け。軽ハンデを生かす騎乗も全くできてなかった。

8.アドマイヤモナーク
 馬体に幅があり、全体の四肢の伸びも良い。馬体全体の丸みも厚め。
 多少フックラしすぎの印象もあるがスピードが必要な条件でもないし、許容範囲だろう。
 四肢の球節〜繋の反発が弱く沈みすぎの部類で、常に治療した跡がある。また、両前は接着蹄鉄。
 常に脚元に不安がある馬ながら、7歳にして重賞連勝できるほどにデキが安定してきたのは確かに好材料。

 トップハンデをものともせず…というより、ハンデ云々の着差ではなかったので単純な力上位。
 時計もかなり平凡なボーナスステージ。
 本格化をしたというより、日経新春杯の上位入着有力馬が来れば誰でも好勝負になった相手関係。

9.エイシンダードマン
 父ダンスインザダーク。
 大幅な馬体減があったようだが、脾腹がスッキリ絞れて全体のメリハリも良かった。
 骨量はあるがまだ細身で、四肢も多少ブラブラする格好。長距離で良い意味でのユルさはある。
 背中がまともでトモの流れもあまり引きずらず、大きく動ける。
 ただ全体の印象としては筋肉量でもう少し馬体を埋めて欲しいといった感。
 体の細さに対し、まだ手先が太い印象が先立つ。
 関東で見る限りは良い馬体を見せているので、現状は輸送した方が好結果を出せている。

10.ブラックアルタイル
 前走と比べて悪い意味で胴伸びが窮屈になって腰も随分ブレる。
 持ち味だった肩の出の良さもくたびれて来て張りも多少甘く、単純に疲れてきた印象があったので
 当日は長距離適性がないことも考え合わせて無印。
 捲り勝負で良い成績を残してきた馬が、直線の決め手勝負に付き合ってしまったのも裏目に出た。

11.マンハッタンスカイ
 細身で筋力は頼りないが胴伸びが良くて背丈もあり、弾力のある馬体。
 腰が良いので姿勢も確り。引き続き好調を維持。チークピーシズ装着。
 ステイヤー距離は問題ないはずだろうと見ているが、
 実際にか細い面が残っているし、まだ本格ステイヤーとして途上なのかも。
 53kgをもらって実際に上手いペースで逃げていて完敗の内容だけに…。

12.エフティイカロス
 本来はもっと背丈の伸びを見せてた馬だが、当日は歩様が突然窮屈になり脚を短く見せる。
 冬毛が見えてきたのと同時にトモの運びも硬く、体が縮こまっていたので下降線と判断。無印。
 シャドーロールを装着してる元来頭の高い馬だし、馬が窮屈な動きになるのはなおさら減点対象。
 本質的にも、伸びやかさがない馬なのでそもそも府中がそんなに上手ではなさそう。

13.レーザーズエッジ
 骨太で腹目が大きく皮膚が毎度厚い馬。デキではなく体型として背が垂れるタイプ。
 四肢は長く腰も強いが常に動きが大味。
 デキとしては特別変わった様子は感じられなかったが、明らかなスタミナ型とは言える。

 とにかく馬場が荒れて時計もかなり掛かる決着になり、差し馬有利の展開になってくれたのは大きい。
 道中のルートはずっと勝ち馬の3馬身後方でマークしての追走。
 条件もかなり向いたし、道中馬場の荒れてる部分を避けて通れた立ち回りも上手かった。
 馬体が上向く様子はあまり感じないので、条件戦に戻っても以前と同じ扱いで良いはず。

14.テイエムプリキュア
 腰や背中の頂点の筋肉がちゃんと張っていて状態はかなり良さそう。
 腹目もスッキリしていて仕上がりも順調。前走激走の疲れなどは全く感じない。
 レベルが低いパドックで多少目立っただけとは言え、この後も条件が合えばそこそこ好走は出来そうに見えた。
 ただ、この馬が得意なのは、雨で上がり3Fが37秒台ぐらいに掛かるズブズブの馬場。


©2008 JRDB
keiba100bai at 17:44  この記事をクリップ!
京介のレース回顧 
カテゴリー
最新記事
JRDBについて
JRDB資料
↑クリックして拡大
⇒JRDBについてもっと詳しく
JRDB本家はコチラ
Archives
Blog内検索
[プレスブログ]価値あるブログに掲載料をお支払いします。