2008年02月29日

 今日は、新聞の見方の説明とは少し外れてしまいますが、今回はレース直前に配信している「直前情報」についてです。

 先週の日曜に久々に現場(競馬場)に行く事ができましたので、実際に配信されている情報と、その現場での判断の材料や呼吸みたいなものの一例として伝えられればと思います。

 まずは現場の担当者が、どういったサイクルで情報を作成しているかと言いますと、
パドックに馬が出てくるのが前のレースの発走直前、2Rのパドックならば1Rの返しを見終えて、ゲートに馬達が集まり出した頃に登場します。
この時点で、既にパドックにもどって待機しているので、実際にレースを見ることはほとんど出来ません。
隙をみて、レースを見にモニターまでダッシュして、勝ち馬がゴールした瞬間に、またパドックまでダッシュです。
脚・馬具をチェックして、パドック点をつけて、直前情報を送信。その他詳細をメモしたり、会員さんや現場に訪れた人達の質問に答えたりしている内にパドックの周回が終了して、返し馬を見るためにスタンドへダッシュ。
最後の馬の返しが終わる頃には、発走時刻まで10分切っており、そこからデータを送信。と、同時にパドックへ走り出す。

以上のような事を1日12R、毎週土日続けています。
ダッシュ・ダッシュ・ダッシュの繰り返しです。。。

 毎回1Rにかけられる時間は非常に限られており、普段TV等で競馬を見ている方には信じられないくらいに時間が足りません。
パドック→返し→パドックが延々続き、競馬場では1日中馬がパドックを周回しているんじゃないかとおもうくらいに。

担当者は勿論、前日に出走してくる馬について調べて来ていますし、前走見た馬であればその記憶もあります。かなり細かい所まで、本当によく見ています。それでもやはり、時間的な制約は大きいなぁというのが僕の印象です。

 JRDBのデータとしては、直前情報というのは非常に目立つし影響力も大きいのですが、例えば「パドック点には反映できないけれど走りそうな馬」というのも、それなりに存在します。
で、結局そういった馬を拾っていくのはデータや新聞であり、予想する人各自の努力だったりするのだと思います。
何度も言っていますが、パドックで全部の答えを出せるわけではありません。
特に目の前で馬を見ていれば、その馬自体に引っ張られてしまうでしょうし、とにかく時間が限られています。

 今回は、パドック評点からやや漏れた、日曜東京9RのヒヤシンスSのダイワマックワンについて。

当日のパドック担当者は「京介」さん。
ここでも異常に詳細な回顧を書いているので、どういう競馬の見方をするのかは読んで頂ければ大体分かるかもしれません。
簡単にこのレースのパドックを振り返っておきます。

 経験の浅い3歳馬のダートのOP競走で、この時期によくあるように、OPでありながら能力差はレース前からハッキリしている状況。
パドック点をつける基準としては、
「細かい適性やデキよりも、能力や素質を素直に評価して点をつけたレース」
とのこと。
勝ち馬の9番サクセスブロッケンに4点が付いたように、+16kgでもここでは抜けた存在。
「スピードが足り無そう」との意見には、前走よりもされに成長しているし、そういう点も問題にならない位の相手関係、コレなら普通に勝つでしょうとのこと。
大体、ここまで言わせるくらいでパドック評点は4点になるのでしょう。
IDM的には、他にも競っている相手はいたのですが、それでも馬を見るとIDM以上に差があるとの判断でした。
ナンヨーヒルトップは
「走り小さいけど、府中はどう?」との質問に、
「もっと能力や馬体の差が詰まった面子であれば気になるかもしれないけれど、今回は敢えて馬体と能力で評価した」
と、上記のようにテーマに沿った点を付けてました。

で、お題のダイワマックワンですが、パドックコメント(申し訳ありませんが、これは会員オプションの直前コメント情報です)は以下の通り。
1ダイワマックワン
 馬体良B 気配チャカB
 馬体も仕上がりも良い。別の条件なら。
 
 <レース後の各コメント>
 出遅れ中団の内で溜め、直線壁で外出し浮上 箱型でトモ幅確り。スッキリ仕上がり順調。前掻き。超強風+Hペースでも体力見せる。両前バンデージ。 

 今回は初ダートで未知数の分部は大きく、また、それなりに馬が揃っており抜けた馬がいるレースとあって、このコメントを読むかぎりはパドック点が廻らなかったのかなといった感じです。
ただし、IDM的にはサクセスブロッケンと1ポイントしか差がありませんし、「馬体も仕上がりも良いと」のように状態は良かったのでしょう。
結果は、直線でセッカチセージ、プラチナメーンの走路を妨害気味も4馬身差の2着。
サクセスブロッケンはしっかり評価できたけれども、ダイワマックワンについてはパドックでは評価し切れなかったレースとなりました。

 パドックという短時間での評価は万能ではありません。
それでも、例えばダイワみたいな馬は、情報の受け手が使い様によっては届く所にいる馬だと思います。
前日までのIDMや情報、当日のパドック点やオッズの入り方をトータルして出している「総合指数」というのがありますので、基本的には、そちらを目安にする方がクールです。
パドック点が入っていなくても、総合指数で印が入っている馬であれば、それなりにチャンスはあります。

・戦前のIDM差をパドックではひっくり返して、サクセスブロッケンに大きく加点。オッズ印も◎で総合指数ではナンヨーヒルトップと同点の1番手。
・ダイワマックワンにはパドック点は廻らずも、オッズ印が入って総合指数は4ポイントプラスで4番手。

 少し難しくなってしまいましたが、パドック点が入らない時は、本当に担当者が切りとの判断であったり、単に印が廻らない場合であったりします。それを全て伝えるのは、時間や送れる情報量の制限から今は非常に難しい状態です。
こういう部分をパッと見て理解するには、慣れに頼る所も大きいのですが、直前情報1つにしてもトータルして見るという事がとても大事。
でも、ちょっと大変ですね。

 参考までに、パドック点がついた他馬については以下のようなコメントでした。

◎9サクセスブロッケン 4.0
 馬体良A 気配平凡 B
 素材A級。デキも上々。勝ち負け必至。
 気配を表に出さないこの馬にとってコレで十分。
 
 <レース後の各コメント>
 好位馬群で溜め、後続突き放し最後も余裕。 胴短脚長。バランス良く弾力上々。動き良し 超強風。広いストライドでバネあり強い内容 両前ソエ小。左後繋弾く。
----------------
○4ナンヨーヒルトップ 3.4
 馬体良B 気配チャカB
 地力上位。仕上がり良く安定感は高そう。
 チャカつくもこれはこの馬の癖。
 
 <レース後の各コメント>
 馬なりでハナへ、最後は一杯で流れ込み。  腹ボテトモ○。踏込み浅い。馬体は柔軟。  速いペースで超強風。止まった。前傾の走り 四肢バンテージ。両前ソエ小。
----------------
▲11プラチナメーン 3.0
 馬体良B 気配不安定B
 馬体確りし仕上がりも良い。上位評価。
 前走と同様。平行線。
 
 <レース後の各コメント>
 好位の外で溜め、直線バテないが甘い。  筋肉質で腹ボテ。トモ一息もバランス良し。 中間トモ疲れ。柔軟なストライド。距離欲し 四肢バンデージ。
----------------
注10セッカチセージ 2.4
 馬体普B 気配チャカB
 馬体は良い方だが多少張り甘さある分の下げ。
 今日は多少チャカ付く仕草。特に気にせずとも。
 
 <レース後の各コメント>
 バラけた中団追走、直線バテないがトロい。 骨太で脚長。柔軟でフックラ張り○。腰甘い 超強風。骨太前掻き。柔軟大トビでバテない 両前バンテージ。右後球節腫れ。
----------------
 2ラインプレアー ☆
 馬体良B 気配不安定B
 馬体上位だが作りが大味で器用さ足りない。
 前走と同様。平行線。
 
 <レース後の各コメント>
 好位の内追走、バテて流れ込んだ。  骨太腹ボテで脚長。鈍足。張りはある。腰甘 超強風。  両前軽いソエ。左前裏筋怪しい。左前骨瘤小


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