2012年11月20日


マイルCS〜回顧〜


安井:では早速先週の回顧しますか。


大嶋:土曜日の雨が酷く芝・ダートともに不良からのスタート。ただ日曜日は天気もよくなって、稍重まで回復してたな。この辺りから予想がズレてたわ…。


安井:結果的に今年の勝ちタイムは"1:32.9"で、同じ稍重開催だった昨年との比較で1秒も速く、例年より少し掛かった程度でしょうか。直前の10R嵯峨野特別がテン緩く中盤速めで上がり掛かるというラップバランスで"2:00.8"と基準とピッタリ同じですから、この辺を踏まえてもわかるかと思います。


大嶋:マイルチャンピオンシップに関してはペースがなぁ。。。


安井:G1バトルでも書きましたが、ポイントはシルポートが坂で緩めるか締めるかどっちかがポイントだと思っていたのですが、蓋を開けてみるとテン3Fが35.0秒と01年以来の35秒台となりました。確かに京都競馬場はテン遅くなりやすい構造ですが、それでもG1級のメンバーでましてシルポートがいる状況でここまで遅くなるとは思いませんでしたね。実際、テンより上がりが速い後傾ラップとなったのは過去10年で見ても04年と09年だけですからね。


大嶋:そうなんだよね。でも中盤が23.2秒で速いラップ…。


安井:そうですね。これは急流でレコード決着となった10年の23.0秒に次ぐ速いタイム。その影響もありレース自体は一貫して11秒台のラップが刻まれ、ラスト3Fは「11.3 - 11.5 - 11.9」と失速していくラップ。つまり、緩→急→急という流れで特に中盤を速めた影響からスピード持続能力が問われた展開となりました。イメージとしては1400mのラップに非常に近いですね。


大嶋:これを踏まえて各馬についてみていきますか。



サダムパテック


大嶋:せっかく調教のコラムで推奨してたのに。笑


安井:栗東坂路で4F51.0秒の同日1番時計で自己ベストを更新と状態の良さを見せていました。それだけに…(泣)。ただ、予想として考えると1600m(1.1.0.4)に対して1400m(1.0.0.0)、1800m(1.0.1.0)と根幹距離で成績を落として非根幹距離で成績を上げるタイプだと考えたので評価を落としました。レース全体でも触れていますが、今回のラップは1400mに近い流れ。特に、自身が制した今年の京王杯スプリングカップは非常に今回の流れと似ているんですよね。このあたりも上手く嵌ったかと。


大嶋:展開予想にも書いたけど、直線は内から差す方が良いかなというトラックバイアスだと思ってたから個人的には上手く乗ったなと思う。枠順も最内で外に出すロスを考えるとあの騎乗がベストだと思う。それにしても武豊騎手がG1を勝つと盛り上がるな。


安井:やっぱり華があります。エヴァの公開に合わせて勝利するあたりも持ってますね(笑)。



グランプリボス


大嶋:今回のラップが1400mに近い流れなら、前哨戦を勝ったグランプリボスの好走は分かりやすいな。


安井:これで安田記念とマイルチャンピオンシップでともに2着ですか。緩急問わず好走してるあたりはやはり強いですね。基本的には一貫したラップでスピード性能活かすタイプだと考えているので。ただ、前走のスワンステークスで京都競馬場の軽い上がり勝負を勝利したようにキレ味を見せていましたからね。ここでは消せなかったです。


大嶋:なるほどね。安井先生の好きな馬だけども今後の評価はどうなの?


安井:個人的には中盤で12秒台が入るラップでどうなるかが見たかったのですが今回は叶いませんでしたね。急流得意なタイプなので引き続き来年の安田記念は本命級の評価ですし、1400mなら緩急問わず信頼していいと思います。来年のマイルチャンピオンシップなら個人的にはまだ疑問です。1200mも挑戦してほしいですね。高松宮記念に出るなら本命でもいいです。



ドナウブルー


安井:せっかく注目馬に挙げてたのに(笑)。


大嶋:(泣)典型的な京都巧者なんだけどなぁ…。今回シルポートがいて前半ペースが速くなるということと、天気が悪くて馬場の回復が遅れること、差し馬が多くて外枠だと4コーナーでのロスが大きいということを考えたら厳しいかなと思った。


安井:この馬の買う条件は直線に急坂がないこと、テンより上がりが速いラップバランスになることの2点が嵌る状況だけ。この2点が見込めるなら強いです。逆にどちらか片方でも欠けると脆いのでその点に気をつければうまく付き合えるかと。


大嶋:来年の京都金杯、京都牝馬S辺りかなぁ〜。



ストロングリターン、ファイナルフォーム


大嶋:この2頭は人気してそれぞれ負けてしまったけども…。


安井:東京競馬場で強い競馬をしてる2頭ですね。展望でも書きましたが、基本的に東京競馬場と京都競馬場では問われる資質がまったく違うので、東京競馬場で強いレースをすればするほど適性が外れていきます。グランプリボスみたいに、直前で別の資質を見せているなら別ですが。


大嶋:ファイナルフォームは来年の安田記念で考えたい1頭かな。まだまだ上積みもありそうだった。


安井:僕はラジオNIKKEI賞勝ちも含めて中距離で期待したいですね。安田記念だとテン速すぎるので。あくまで今後積み重ねていく結果次第ですが、天皇賞(秋)なんかで注目したいです。



シルポート


大嶋:ここまで見てるとスローで逃げるのかよと思われがちだけども、元々スローの逃げ馬なんだよな。


安井:そうですね。今回のようにテンややスローで中盤・上がりで速めて逃げ切るタイプの馬だったんですよね。11年の京都金杯やマイラーズカップ、京王杯スプリングステークスがまさにこのようなラップバランスで好走しています。でもまさかこのラップを久しぶりにしてくるとは考えていませんでした。


大嶋:川田騎手の逃げ馬は皐月賞のゼロスのイメージがあったんだけども、調べてみるとスローで逃げることもマズマズ多かった。好騎乗だと思う。


安井:そうですね。4着に粘っているように最大限のパフォーマンスを発揮できるラップを演出した好騎乗でした。



その他気になる馬


大嶋:レオアクティブはペースが速くなると踏んだ上での◎だったから仕方ない…。ペースと天気、馬場が読めてなかったから完敗です。


安井:本命にしたダノンシャークは直線での不利が致命的でした(泣)。京都なら引き続き評価高めでいきたいです。


大嶋:今週はいよいよジャパンカップ。オルフェーヴルとソレミアの凱旋門賞の再戦やジェンティルドンナなど注目レースだな。現場に行くから楽しみだ。


安井:そうですね。今回は僕も現場に行くので、いまから楽しみです。トレセンも頑張りますよー。





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