2013年03月22日

大嶋くんからの指名でお鉢の回ってきた永野です。
競馬歴は結構長いです。

・馬券が単・複、枠連のみだったこと。
・秋の天皇賞も3200Mだったこと。
・ダービーのフルゲートが28頭だったこと。
・場外馬券売り場(WINSという呼称はなかった)の締切がレースの30分前だったこと。
・第1回のジャパンC。
・天才福永洋一の毎日杯での落馬事故。

いずれも、リアルタイムで知っています。

しかし、競馬歴と馬券の巧拙には何の関係もありません

土日も事務所勤務なので、競馬場へは長らくご無沙汰です。
阪神競馬場と仁川駅、京都競馬場と淀駅が直通となったことは知っていますが、実際はどんな状態かは知りません。
事務所に詰めているからといってシステムが組めるわけではありません。
前職が書店員だったように、根っからの文系人間で、しかも、Windowsでパソコンが一気に普及した時には既に三十路。そこからシステムが組めるようになるなんてとてもじゃありません。

社内の立ち位置としては週中の運用が中心です。
そして、週末はグリーンチャンネルとJRDBのサイトを見ながら馬券を買う。
ほぼ会員と同じ立場と言っていいかも知れません。
ですから、ここまでのスタックのようにコレといった武器はありませんので、それを踏まえてお付き合いを願いたいと思います。


私が馬券を考える際に、やや重きをおいているファクターがオッズなので、この事に関して少し書きたいと思います。

皆さん、オッズはどのように使っていますか?
馬券的中の際の払戻しの皮算用に使うのが大方の使い方でしょう。
しかし、それだけではもったいない。オッズも使い方によっては十分予想の材料になります。

まず、オッズとは何か。
イギリスのブックメーカーの場合は、ブックメーカーがその馬に下した評価と言えるでしょう。
日本の場合は競馬ファンの間でのお金の取り合いなので、一種の人気投票のようなものです。
なので、その馬の人気がどれくらいになるかというのを把握することが重要になります。これが、JRDBで提供している「基準オッズ」です。

基準オッズに関する基本的な考え方は、少し古いですが、「風雲!赤木塾」の第7章の内容が基本。15年ちかく前のものですが、色褪せてはいないと思います。

オッズを形成するものは何かというと・・・。
予想に専門紙もしくはスポーツ新聞も全く見ないというファンが非常にまれ。やはり競馬メディアの印が大きく影響するのは間違いない。しかも専門紙のシェアによって印が人気に与える大きさも異なります。
次に騎手のファクターも大きい。
リーディング上位の騎手と下位の騎手が同じ力の馬に騎乗した場合は当然リーディング上位の騎手の方が人気を集める。競馬メディアはこの騎手のファクターを含めての印ともいえるが、織り込み済み以上に人気を集める場合もしばしば。
昨年の有馬記念ではエイシンフラッシュが、天皇賞秋を制したMデムとのコンビ復活で人気を集め前日発売段階では7倍台前半で推移していたが、当日Mデムの病気により三浦騎手に乗り替わり。人気順こそ3番人気で替わらなかったが嫌われて始めて確定では10倍を付けることに。これは、騎手による人気の左右を如実に現したもの。
そのほか、新馬戦では血統背景が人気に与える影響も大きいし、最近ではそれほどインパクトがなくなってきたが馬名で人気をすることもある。
以上のようなことを考慮して基準オッズは作成されます。

で、馬券検討の手法としては、落ち着くべき数字といえる基準オッズと実際のオッズの乖離をチェックすることです。

騎手・調教師・厩務員は当然ながら馬券を買うことが出来ません。しかし、美浦や栗東のトレセンに出入りしている人間を考えるとそれは一握り。馬主や記者は自由に馬券を買えるわけです。
自分の愛馬や取材対象の馬が勝負掛りとなれば馬券でも勝負というのが人情というものでしょう。そういう馬は当然ながら基準オッズより人気をすることになります。時には単・複のオッズが一気に下がる場合があります。

たとえば、先週の日曜(3/16)の中山9レースは館山特別。時系列のオッズは御覧の通り。
▼クリックで拡大します▼
06132809odds
2.エクセリオンのオッズが明らかに不審。
11時過ぎに単・複に集中投票が見られます。
単勝が12.9倍から7.4倍、複勝の下が2.3倍から1.3倍に下がっています。金額にして単勝10万円、複勝30万円程。複勝で保険を掛けて単勝で勝負という所でしょうか。
少頭数のこのレースは戸崎のカムフィーと柴田大のマイネルシュライに人気が被ったためそのほかの馬は基準オッズより人気を落とすことに。一時的に7.4倍で3番人気だったエクセリオンも5番人気で単勝は13.1倍まで戻していた。レースでは直線内を突いて抜け出し快勝。上記の概算通りの金額を投入なら払戻しは248万円

しかし、あくまでも競馬は相手があってのもの。
全てが思惑通りに行くとは限りません。
同じ先週日曜、今度は阪神です。7レースの古馬500万クラスのオッズは以下の通り。
▼クリックで拡大します▼
09131808odds
8.キタサンウンリューの単勝が10時10分過ぎに17.0倍から7.3倍まで下がっております。こちらは複勝はピクリともせず単勝に10万円の勝負です。
フルゲートで混戦の一戦で朝早い段階での集中投票なんざ、レースの始まる頃には跡形もなくキタサンの単勝は24倍を付けておりました。
レースでは、近走は中団からだったキタサンは今回は積極策。ただ、誤算だったのは他にも積極策を取った馬がいたこと。これらを捌いて4角先頭で回った時には「ヤッタか」という感じだったが、ゴール前で先行激化のツケがきて外から差されて4着に。24倍の単勝を握っていれば悶絶のレース。(私も少額ながら単勝を持っておりました)
しかし、乗り方としては勝負掛りがヒシヒシと感じられたレース。
オッズの入っている馬はいかにもそれらしく、不利を受けないよう先行して押し切りを狙うという乗り方をする場合が多いです。

このように勝負掛りで馬券も勝負という馬を見つけることが出来れば予想のファクターとして十分通用すると思います。

しかし、全ての不審なオッズ=勝負掛り というわけではありません。
時としてなんの意味もない異常人気もあります。
たとえば、特定の騎手が1日を通しで売れているとか、ダービーや有馬記念当日にありがちなメインレースのレース番号間違い。
特定の騎手が売れていた最近の例では、2/24の開催では横山典騎手の単勝が悉く基準オッズを上回る人気だったこと。前日が誕生日だった横山典騎手への応援馬券だったと思われる。
そういうノイズ的な売れ方はひとレースの一瞬を見ても判らないので、オッズによる馬券検討は時系列を1日の全レースを通して観ることが肝心です。

更に長いスパンで仕掛けてくる場合もあります。
昨年暮れから今年2月にかけての不審な売れ方のはなし。
それは東西の主場の午後早い時間のレースの複勝での集中投票。
特に目立ったのが7レースの1番と6番の馬の複勝にそれぞれ50万円投票するというもの。
該当馬の人気何てお構いなし、投票の時間も11時前後でお決まりの投票。
明らかに同じ行動パターンでの投票で同一人物と思われる。
こうなるとモハヤ予想ではありません、お告げに従っての投票かと。
割と早い時間の投票なので、全体の売上が小さいなかでの50万円なのでオッズは大きく動きます。ときには下限でも20倍を超えていた複勝が一気に1.6倍なんてこともありました。
事務所内ではかってに「イチローさん」と呼んでいましたが、3/3を最後に現れておりません。
まあ複勝なので、何度かは払戻しを手にしましたが、概算では1000万円近くの赤字を計上。
もう、イチローさんは神を見放したのでしょうか?

取り留めもなく書きましたが、時系列オッズは海賊が残した宝の地図のようなもです。
スゴイ宝物が埋まっているかもしれないし、トンデモないトラップかも知れない。
少々の経験では読み解けない所が難しかったり、楽しかったりします。
普段、時系列のオッズなんて見ないという方もこの週末、時系列オッズをチェックしてみては。
意外な発見があるかも。

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  • コメント( 2 )

コメント一覧

1. Posted by 今農家   2013年03月21日 17:13
海賊が残した宝の地図
的を得た表現ですね。
本物か偽物か鍵を開けるまで分からない!

でも地図さえ持ってない人よりおもしろいのは間違いない!
2. Posted by ぺるふ   2013年03月21日 19:42

朝早くにオッズを見ていると、
たまに気づくことがありますね。
まあ、あまり見れないので、
ほんとにたまに・・・ですが

2月17日の小倉4Rで、
ラノララクのオッズがおかしな動きだったので買い目に入れて、
おいしい思いをしたことがありました。




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