2013年05月31日
ダービー週にこなす原稿が非常に多くて、ちょっと間が空いてしまいましたが、引き続き安田記念のコラムを書こうと思います。
さて、みなさんダービーはいかがでしたでしょうか。
ちなみに、燃焼系鈴木式の体型データでは、このように。
−
いつものレースよりも脚の長い馬がやや多いとはいえ、
「前脚:長い 後脚:長い」の馬が5頭いる中で2頭が馬券に絡みました。
1着と人気薄3着ならば、優秀だったと言えるのではないでしょうか。
さて、安田記念の話。
10年ほど前は、1分33秒〜34秒台の決着が中心で、外国馬が出てくればそれに蹂躙されっぱなし…
みたいな時代も続きました。
それの残り200〜150mほどの写真が、こんな感じです。
−
2000年
勝ち馬:フェアリーキングプローン 1分33秒3
−
2001年
勝ち馬:ブラックホーク 1分33秒0
−
2002年
勝ち馬:アドマイヤコジーン 1分33秒3
昔の安田記念と言えば、こんな感じ。どの写真も明らかに集団が内目を避けていて、馬場の真ん中から大外を回した馬が勝ち馬になっています。
この頃の安田記念は、単純に「外枠の追い込み馬を買え」が合言葉だったはず。
オークス・ダービーが終わって馬場の内目がボロボロで時計も掛かり、時に梅雨入りするタイミングとも重なるので、内側の芝はもう瀕死だったんですね。
しかしその傾向も、東京競馬場の改装と同時に馬場の改善がなされ、エクイターフが導入されてずっと高速馬場が保たれるようになると、様子が変わってきます。
安田記念の過去3年の勝ちタイムは、10年前と比べればもう隔世の感。
2010年 勝ち馬:ショウワモダン 1分31秒7
2011年 勝ち馬:リアルインパクト 1分32秒0
2012年 勝ち馬:ストロングリターン 1分31秒3(レコード)
1秒どころではない、1秒5か2秒以上も時計が短縮されるようになってきたのです。
昔の考えだと、マイル戦で1分32秒台なんて新潟コースでしかあり得ないという感覚でしたが、今では全国どこでもこの水準は出ますし、重賞になればG3ぐらいでも1分31秒台は日常。
本当に競馬の質が大きく変わってきたんだなあと実感しますよ。
当然、こうして馬場の質が変わったことで、「競馬のやり方」というのも変わってくることになります。
この安田記念も、以前のような単純な大外回しの我慢比べという競馬は全く発生しなくなりました。
どの馬もコースロスしないよう、コーナーや直線の内側を攻めるようになり、馬群がバラけることはありません。安易な鈍足馬では、掲示板に載るチャンスすらなくなってしまいました。
その結果…。
−
2012年 ストロングリターンとラッキーナインに挟まれるグランプリボス
−
2011年 内ラチとシルポートとジョーカプチーノの隙間が開かず、進路を迷って追いあぐねるクレバートウショウ
−
2010年 内を突く前に一度進路をカットされて仕掛け遅れるスマイルジャック
−
2010年 直線最内で先に進路に入られ追いにくくしてるフェローシップと、カットされて完全に手綱を引っ張ったアブソリュート
全て、内ラチ沿いで起こった出来事ですね。このように、密集する馬群の中での渋滞や不利が明らかに増えるようになったのです。
10年前の安田記念はそうではありませんでした。前が詰まるぐらいなら「馬場の良い外へ斜めに出す」という発想がまかり通っていて実際に通用してたので、レース後になっても「明確な不利」の談話はほぼ出ないものでした。
決着時計が異様に速いので、凝縮した馬群の中である程度ロスのないように進み、勝負所で必然的に生じる多少の不利を跳ね返せるぐらいに「体の強い馬」でないとダメ。
不利を避けて大外を回していると、その距離損の分3着がやっとというレースになってきたのです。
これを克服するために、どういう馬体であるべきか、ということなのですが…。以下に着目します。
−
2012年 ストロングリターン+グランプリボス
−
2011年 リアルインパクト
−
2010年 ショウワモダン
◎馬体重が500kgを超える巨体
◎四肢の長さがあると同時に、腹袋やトモなど、どこかしらに分厚いパーツ(「大」表記)があること
燃焼系新聞で、この2点に着目して探してみましょう。
安田記念で必要なのは、「狭い隙間をスパッと割る」という受け身の考えではなく、「時には自分から相手にぶつけに行く覚悟でいて、スピードを落とさない」攻めの姿勢であるべき。
細くて高性能な脚回りでは、少し触ればフラついてしまうもの。
1トントラックが暴走するかのように、ドッシリとした身構えで勢いに乗りさえすれば多少の接触にも怯まない、という発想でアプローチするわけです。
ちなみにグランプリボスは、馬体表記では「普通」になっている部分が多いかもしれませんが、この馬はかなりいい根性をしている馬。
昨年の安田記念&マイルCS両方で明確な不利を受けていながら2着と激走しているように、タフな流れはどんと来いと言うタイプです。ある程度は信用してもいいはず。
このグランプリボスに真っ向勝負(いや、表現としてはタックル?)しに行って、体の強さで押し切れる馬が安田記念の勝ち馬、というわけ。
今年は降着ルールの新基準を採用して初年度の安田記念。おまけに、春のG1連続開催もとうとう最後のタイミング。
騎乗停止覚悟のラフプレーがあるかも、いや、むしろ必ずあると予言してもいいでしょう。ガツガツしている外様の外人騎手などには、特に注意を払いたい場面ですね。
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©2010 JRDB
さて、みなさんダービーはいかがでしたでしょうか。
ちなみに、燃焼系鈴木式の体型データでは、このように。
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いつものレースよりも脚の長い馬がやや多いとはいえ、
「前脚:長い 後脚:長い」の馬が5頭いる中で2頭が馬券に絡みました。
1着と人気薄3着ならば、優秀だったと言えるのではないでしょうか。
さて、安田記念の話。
10年ほど前は、1分33秒〜34秒台の決着が中心で、外国馬が出てくればそれに蹂躙されっぱなし…
みたいな時代も続きました。
それの残り200〜150mほどの写真が、こんな感じです。
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2000年
勝ち馬:フェアリーキングプローン 1分33秒3
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2001年
勝ち馬:ブラックホーク 1分33秒0
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2002年
勝ち馬:アドマイヤコジーン 1分33秒3
昔の安田記念と言えば、こんな感じ。どの写真も明らかに集団が内目を避けていて、馬場の真ん中から大外を回した馬が勝ち馬になっています。
この頃の安田記念は、単純に「外枠の追い込み馬を買え」が合言葉だったはず。
オークス・ダービーが終わって馬場の内目がボロボロで時計も掛かり、時に梅雨入りするタイミングとも重なるので、内側の芝はもう瀕死だったんですね。
しかしその傾向も、東京競馬場の改装と同時に馬場の改善がなされ、エクイターフが導入されてずっと高速馬場が保たれるようになると、様子が変わってきます。
安田記念の過去3年の勝ちタイムは、10年前と比べればもう隔世の感。
2010年 勝ち馬:ショウワモダン 1分31秒7
2011年 勝ち馬:リアルインパクト 1分32秒0
2012年 勝ち馬:ストロングリターン 1分31秒3(レコード)
1秒どころではない、1秒5か2秒以上も時計が短縮されるようになってきたのです。
昔の考えだと、マイル戦で1分32秒台なんて新潟コースでしかあり得ないという感覚でしたが、今では全国どこでもこの水準は出ますし、重賞になればG3ぐらいでも1分31秒台は日常。
本当に競馬の質が大きく変わってきたんだなあと実感しますよ。
当然、こうして馬場の質が変わったことで、「競馬のやり方」というのも変わってくることになります。
この安田記念も、以前のような単純な大外回しの我慢比べという競馬は全く発生しなくなりました。
どの馬もコースロスしないよう、コーナーや直線の内側を攻めるようになり、馬群がバラけることはありません。安易な鈍足馬では、掲示板に載るチャンスすらなくなってしまいました。
その結果…。
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2012年 ストロングリターンとラッキーナインに挟まれるグランプリボス
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2011年 内ラチとシルポートとジョーカプチーノの隙間が開かず、進路を迷って追いあぐねるクレバートウショウ
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2010年 内を突く前に一度進路をカットされて仕掛け遅れるスマイルジャック
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2010年 直線最内で先に進路に入られ追いにくくしてるフェローシップと、カットされて完全に手綱を引っ張ったアブソリュート
全て、内ラチ沿いで起こった出来事ですね。このように、密集する馬群の中での渋滞や不利が明らかに増えるようになったのです。
10年前の安田記念はそうではありませんでした。前が詰まるぐらいなら「馬場の良い外へ斜めに出す」という発想がまかり通っていて実際に通用してたので、レース後になっても「明確な不利」の談話はほぼ出ないものでした。
決着時計が異様に速いので、凝縮した馬群の中である程度ロスのないように進み、勝負所で必然的に生じる多少の不利を跳ね返せるぐらいに「体の強い馬」でないとダメ。
不利を避けて大外を回していると、その距離損の分3着がやっとというレースになってきたのです。
これを克服するために、どういう馬体であるべきか、ということなのですが…。以下に着目します。
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2012年 ストロングリターン+グランプリボス
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2011年 リアルインパクト
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2010年 ショウワモダン
◎馬体重が500kgを超える巨体
◎四肢の長さがあると同時に、腹袋やトモなど、どこかしらに分厚いパーツ(「大」表記)があること
燃焼系新聞で、この2点に着目して探してみましょう。
安田記念で必要なのは、「狭い隙間をスパッと割る」という受け身の考えではなく、「時には自分から相手にぶつけに行く覚悟でいて、スピードを落とさない」攻めの姿勢であるべき。
細くて高性能な脚回りでは、少し触ればフラついてしまうもの。
1トントラックが暴走するかのように、ドッシリとした身構えで勢いに乗りさえすれば多少の接触にも怯まない、という発想でアプローチするわけです。
ちなみにグランプリボスは、馬体表記では「普通」になっている部分が多いかもしれませんが、この馬はかなりいい根性をしている馬。
昨年の安田記念&マイルCS両方で明確な不利を受けていながら2着と激走しているように、タフな流れはどんと来いと言うタイプです。ある程度は信用してもいいはず。
このグランプリボスに真っ向勝負(いや、表現としてはタックル?)しに行って、体の強さで押し切れる馬が安田記念の勝ち馬、というわけ。
今年は降着ルールの新基準を採用して初年度の安田記念。おまけに、春のG1連続開催もとうとう最後のタイミング。
騎乗停止覚悟のラフプレーがあるかも、いや、むしろ必ずあると予言してもいいでしょう。ガツガツしている外様の外人騎手などには、特に注意を払いたい場面ですね。
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