競馬を100倍楽しむ方法（JRDB ブログ）

ＪＲＡが今年から外国人騎手への通年免許発行を明文化。
それを受けてＭ．デムーロ騎手が早くから受験することを明言していた。

ということで、とある出版社の編集の方から、Ｍ．デムーロに関しての企画が持ち上がって、あらかたのデータの洗い出しが終っていた。

ところが、まさかのＭ．デムーロの一次試験不合格。
イタリア人の彼にとって母国語ではない英語での試験、ＪＲＡ側にしても前例のない審査で難しかったのかもしれない。

Ｍ．デムーロ企画自体は「来年度も受験してくれることを信じて暖めておきましょう。」ということになったが、１年間塩漬けにしておくには勿体ないし、年末までＭ．デムーロ騎手も短期免許を得ているので、「Ｍ．デムーロ考」を少し公開しておきます。

まずは、基本的なところ。

1979年１月生まれ。
日本人騎手で武幸や秋山が日本流でいう同学年。
武幸はＧ１を勝つのは比較的速かったが、秋山は昨年のＮＨＫマイルＣが初Ｇ１、その他の同期の太宰、村田らはＧ１未勝利。
外国人騎手ではＣ．ルメールが同じ年齢。（日本流で言えば、Ｃ．ルメールが１学年年少）
日本人騎手でＭ．デムーロより年少で複数のＧ１勝ちのあるのは、池添、松岡、川田、浜中だけ。日本での初騎乗が99年で当時20歳。ネオユニヴァースでの２冠は２４歳の時で、浜中や藤岡康が現在２４歳のことを思うと若くから活躍しているので、感覚的には藤田や田中勝なみのベテランの感じがするのは私だけか。

デムーロが上手いのは周知の事実で、それだけで人気はアップする。
それが如実に現れたのが昨年の有馬記念だろう。
秋の天皇賞を制したエイシンフラッシュの鞍上はジャパンＣではＣ．ルメール騎手に譲ったが有馬記念では再びタッグを組む予定で前日発売の時点では単勝は７倍台前半で推移。しかし当日になってデムーロ騎手が病気のため三浦騎手に乗り替わり。するとジリジリと嫌われ始めて最終的には単勝は１０倍に。
デムーロだけで人気するという良い例だと思う。

さて、ここからがデータ分析によるデムーロ考。
データの集計期間は2007年の初めから2013年の９月末まで、デムーロの今回の短期免許で成績は入っていません。

この期間での全成績は1014騎乗で164勝、勝率は16.2％で連対率は28.2％、単勝の回収率は96.2という数字。
この数字を上回る日本人騎手は、
勝率、連対率では武豊と安藤勝騎手だけ。しかしアンカツはすでに引退、武豊騎手も2007年以降の数字ということを考えると現状はもう少し率が落ちているはず。
単回収率では北村友騎手が98.5でデムーロ騎手を上回る。このあたりは北村友騎手の穴騎手としての面目躍如という所でしょう。

人気順別では、１番人気では、勝率は38.7％、単回収86.4。１番人気全体での勝率が31.9％、単回収76.2なのでかなり優秀。ちなみに１番人気で勝率でデムーロ騎手を超えるリーディング上位騎手はおらず、単回収では川田、北村友、田辺がリーディング上位としてはデムーロより上の数字を残している。
１番人気に支持される率は20.9％で５レースに一度は１番人気。現役騎手の中では武豊、横山典に次ぐ数字で岩田や内田より、１番人気に支持されることが多い。
１番人気での成績は優秀だが、２・３番人気にの成績は全体の２・３番人気の数字を下回る。この数字はデムーロ人気で力以上に評価されていることの反映と考えていいだろう。
しかし、デムーロの真骨頂は４・５番人気にある。全体では４・５番人気ともに単回収は８0を少し上回っる程度。しかし、デムーロはこの人気帯ではともに単回収は100を大きく上回り４番人気では121.5、５番人気では111.6を記録している。
デムーロの狙い目は４・５番人気にあるといえる。

条件別で覚えておきたいのは、新馬戦の成績が他のクラスに比べて落ちること。
年間３ヶ月という縛りがあるのでどうしてもクラシックを意識するような厩舎の期待馬は先の予定を立てることのできる日本人のリーディング上位の騎手に回ることになる。

もうひとつ特徴的なのが、レース番号での成績。
１レースの好走が目立つので、モーニングデムーロは買い。
最終レースは勝率こそメインレースと変わらないが、単勝の回収率が大きく下がる。
最終のデムーロ頼みは配当的に妙味はない。


ここまでは、一般的な数字での分析。
続きでは、ＪＲＤＢの独自データを絡めての「デムーロ考」とこの週末のデムーロの取捨を考えたい。

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